マニアフェスタvol.7出展&日経新聞掲載
旧聞に属する話題で恐縮ですが、大きなイベントが2つありました。
【1】マニアフェスタvol.7出展
2023年4月29日、幕張メッセで行われたニコニコ超会議内のイベント「マニアフェスタvol.7」に、ジョギング鉄マニアとして出展しました。今までいぬくそ看板マニアとして出ておりましたが、看板撮影のルーツとも言えるジョグ鉄をテーマに参加しました。おかげさまでジョグ鉄の啓蒙活動を広く行うことができました。
【2】日経新聞掲載
2023年7月5日日本経済新聞朝刊「文化」欄に、ジョグ鉄を紹介する記事を掲載いただきました。日経新聞の記者さまから取材とインタビューをいただき、私の一人称の文章という形の記事でした。電子版やバックナンバーを入手いただければご覧いただけるかと思います。
マニアフェスタで頒布した冊子「ジョギングで鉄道と街を愛でる」は、印刷代捻出のため100円としていました。当日ご購入いただいた皆さんの公平性を保つため、以下のサイトにて有料で読めるようにしております。ご興味ありましたらご覧ください。ジョグ鉄について新しいコンテンツを用意するタイミングで無料化する事を考えています。
京王本線・競馬場線・動物園線 その2
前回書ききれなかった、2018年6月23日の様子をお伝えします。
■ジョギング概要
2018年6月23日 9:32 JST
距離: 52.2 km
所要時間: 6 時間 38 分 19 秒
平均速度: 毎時 7.9 km
最小標高: 55 m
最大標高: 294 m
累積標高(登り): 1135 m
累積標高(下り): 1268 m
■行程
9:31。新宿西口は京王百貨店の前からジョギングスタート。この日は曇っていてたため、日差しに体力を奪われることが無いためちょっと安心なスタート。
10:21。7.4km走行して下高井戸駅に到着。乗換駅のはずなのに快速運転する電車は容赦なく通過していく。笹塚に特急が停車しない事を見ても、京王のかっこいい運行方針が垣間見える。
11:23。16.7km走行して柴崎駅に到着。野川を越えるのが結構面倒くさい。小さい川でも遠回りさせられると、線路のために架橋した当時を偲ぶことができる。
12:45。27km走行して不調競馬正門前駅に到着。頭端式の駅は風格が違う。競馬の事が全くわからないので、銅像のありがたみが伝わってこない。
13:52。37.5km走行して多摩川を渡る。渡る手前から見える聖蹟桜ヶ丘の街に要塞のような威圧感を覚える。
14:08。38km走行して百草園駅に到着。恥ずかしながら、ここに到着するまで「ひゃくそうえん」と読んでいた。ジョギングで来ないと読みはわからない。
14:42。42.2km走行して多摩動物公園駅に到着。サークルに赴く学生たちの若さに嫉妬。彼らから見れば、ぼくは変なおじさんにしか見えていなかったのだと思う。親子連れが多く、当時の自分の境遇と比べてしまい悲しくなった。
16:08。53km走行して京王八王子駅に到着。到着と同時に雨が降り始め、夏なのに体が芯から冷えてしまった。ルートは異なるものの、3年前に新宿から走って来ていたので達成感はほどほどだった。
■ラン後
八王子市子安町1丁目にある「稲荷湯」で入浴。1時間半ほどサウナで汗を流す。この銭湯は割と最近リニューアルしたらしく、きれいで機能的。銭湯サウナにしては高温で、風呂の温度も結構高い。水風呂もしっかりしており、温冷交代浴が捗った。
京王八王子駅に歩いて戻る。すでに雨はあがっていたと記憶している。駅近くの立ち飲みでゆっくり晩飯。地元の人ばかりで肩身が狭い。ただ、その立ち飲み屋にいる客で新宿から徒歩で来られる者はいなかっただろうと考えると、地元民よりも「地元を征服した者」のような気持ちになってくるのが不思議だ。
■まとめ
途中で何度も休憩を入れながらのランで、後半はバテてしまい、ペースが落ちた。大手私鉄としては全長が短い京王電鉄だが、一路線を一気にジョギングするとスケールの大きさを実感する。次走るときはスキルアップして京王の電車に並ぶスピードでありたいものだ。
京王本線・競馬場線・動物園線
今までのジョグ鉄を少しずつ振り返っていきます。
■ジョギング概要
2018年6月23日 9:32 JST
距離: 52.2 km
所要時間: 6 時間 38 分 19 秒
平均速度: 毎時 7.9 km
最小標高: 55 m
最大標高: 294 m
累積標高(登り): 1135 m
累積標高(下り): 1268 m
■経緯
初めてジョグ鉄を意識したのは、2016年のGW中に甲州街道をひたすらジョギングした時だった。
当時、特にこれといった趣味が無く、練習した結果が出やすいジョギングをダラダラ続けていた。一応「マラソンでサブ4を目指そう」といった目標は持っていたため、効率的に楽しくロングランする方法を模索していた。長い距離を走りたいのなら、大きめの公園にありがちなジョギングコースを何周もすれば良いと思いがちだ。ただ、飽き性の自分の性格を考えると、「ただ長い距離を走りたい」という理由だけで延々同じ風景を眺め続けるのが耐えられるかどうか不安だった。ゴールを意識しづらいのもインセンティブを見出しにくい。
そんな時にふと思い出したのが、法事か何かでの実兄との雑談だった。2000年代後半、東京のエグゼクティブの間で「東京駅から新幹線の路線沿いにポタリングする事」が流行っている、といった話。100km~150kmくらい走ると、東京近郊の温泉街に到着するらしく、そこでお風呂に浸かって美味しいものを食べて、夕方くらいに新幹線に乗って帰る遊びなのだそうだ。
当時のぼくは貧乏だったので(今も裕福ではないが)、金持ちの遊びに興味を持つ事ができず、なんとなく聞き流していた。この話を10年くらい経って思い出し、自転車を買う金が無かったので(今も無いのだが)ジョギングでやってみようと思ったのだ。
自転車と違ってジョギングで行ける距離は短い。とりあえず甲州街道を西に向かって走れば何かあるかもしれないと思い、着替えをバックパックに詰めて新宿から走り始めた。
4月後半の気候はジョギングに最適で、思ったより長い距離を走ることができた事を覚えている。たしか43kmくらいだったと思う。途中道に迷いながらも、西八王子駅まで到着。当時からラジオCMが流れていた「きぬた歯科」の本拠地であることと、会社の先輩の地元くらいしか印象の無い街。とりあえず汗を洗い流すために電車で八王子まで戻り、近くの銭湯へ。
■成果と発見
マラソンを完走した人ならわかると思うが、走った後の入浴は気持ちいい。長時間動かし続けて疲労した足の筋肉をお湯で温め、浮かばせる時の「疲れが取れる」をリアルに感じられる。また、ランニングハイの後は非常に「ととのい」やすい状態にあり、サウナのみならず銭湯の熱めのお風呂でも難なくととのう。
発見1:ロングランの後の入浴は最高
風呂を出た後、京王八王子駅の近くの居酒屋でご飯を食べた。マラソンを完走した人ならわかると思うが、走って風呂に入った後のメシはウマい。お腹が空いているから当然なのだが、それ以上に完走した達成感が味覚を敏感にさせるとともに、「美味しい」のハードルを下げる効果があるような気がする。シメに食べた八王子ラーメンはスープを構成する粒子一粒一粒まで味を感じることができた気がするほど美味しかった。
発見2:ロングランの後の食事は最高
京王八王子から新宿まで出て、自宅まで帰ろうと電車に乗った。その日走った道程を回想し、長く走った自分を自分で褒めたい気分になった。それとともに、「京王間を完走した」事を深く実感した瞬間があった。通常は電車で小一時間かけて来られる場所に、自分のフィジカルだけで到達したという、何とも言えぬ達成感が体中を駆け巡った。この瞬間、自分の中にジョギングで鉄道を楽しむ「ジョグ鉄」のフレーズが沸き起こった。
発見3:ジョグ鉄は最高
最高な要素が3つもある。今までこんな事を体験した事が無かった。この日を境に、ぼくはジョグ鉄にのめり込むことになる。
冒頭に載せた道程については次回紹介する。
ジョグ鉄の魅力を考える
新型コロナウイルス感染症の蔓延を防ぐため、外出が禁止されています。電車に乗れない、入浴施設にも行けない、ジョグ鉄には厳しい時期です。やることが無いので、私なりにジョグ鉄の魅力を考えてみました。これをたたき台としてちょっとずつまとめてみたいと思います。
■ジョグ鉄とは
ジョグ鉄とは、鉄道路線に沿ってジョギングを楽しむ事である。私はこの楽しさに取り憑かれ、暇を見つけては線路沿いを走り続けている。ときには1回のランで60kmを越える事もある。乗り鉄や撮り鉄など、鉄道の楽しみ方は様々だが、その中で最もハードコアなものと自負している。
特にお伝えしたいポイントは以下の2つだ。
①自分の足で移動する
乗り物のしがらみ、仕事や家庭・社会のしがらみから解放される。新型コロナウイルスの蔓延で移動が制限される未来を考えると、徒歩で長距離を移動できる事自体に大きな意味がある。
②気持ち的に自由になれる
鉄道という人間の作為の塊とも言える構造物をなぞりながら走っているのに、得も言われぬ解放感。「俺は自由だー!」といった感慨がある。
■ジョグ鉄を始めた経緯
①電車並走を知った
自動車で鉄道に並走するケース(新御堂筋で御堂筋線と並走するなど)において、鉄道と自分が一体化したような体験をした。
②金持ちのツーリング
都会のお金持ちが、新幹線駅から自転車で温泉街のある遠い場所にツーリングに出かけ、帰りは新幹線に乗って戻ってくるという遊びに憧れた。
③路線図が好き
路線図を目で追ったり指でなぞったりして、鉄道との一体化を楽しんでいた。
④LSDを効率的に行いたい
マラソンのタイムを縮めるためにLSD(long slow distance)を継続的に行いたい想いがあった。途中で走れなくなっても家に帰れる方法を考えた末、電車で帰るのが効率的と思ったから。
■ジョグ鉄にハマる理由
①鉄道路線のスケールをフィジカルで感じられる
鉄道路線と同じ距離、同じ道程を自分の足で移動することで、鉄道のスケールの大きさを実感できる。電車で1時間もかからない場所に対する本当の距離感を知ることで、鉄道の有り難みがよくわかる。
②地図上に自分自身を投影できる喜び
地図上の路線をただ眺めているだけでは、路線の景観を把握できない。地図の情報そのままを間近で見ることができる。地形の高低差や建物、住人の暮らしぶりなど、現地に行って自分の足で稼ぐ事の素晴らしさを実感できる。
③ヤバいくらいの達成感
マラソン大会のように、他人に設定してもらったコースではない。自然発生的に生まれたオリジナルのコースであることから、路線を走りきった時の達成感はマラソン以上。ラン後の着替えや入浴もスムーズでストレス無し。
④風呂が気持ちよく飯がうまい
鉄道の終点は温泉地であることが多く、風呂が気持ち良い。運動と入浴後の食事が美味しい事は説明するまでも無いだろう。
できれば過去の事例を紹介しながら冊子にできればと思っています。
ジョグ鉄再開に向けて
私を取り巻く状況は、ここ半年で大きく変わった。
今年4月にヘルニアのために腰痛と坐骨神経痛を患い、ジョグ鉄ができないというピンチにたたされた。8月に少し良くなったので走ったものの、ヘルニコア注射の副作用でまた走れなくなった。
一方、5月末にいぬくそ看板でタモリ倶楽部出演。その御縁で9月に再出演。ジョグ鉄の魅力をお伝えした。
ジョグ鉄の当面の目標は「大手私鉄全線完走」。最初は2年くらいで終わると思っていたが、関東以外の路線は容易に攻めることができない。さらにヘルニアで停滞してしまった。今がチャンスなのに活かせていない。
9月28、29に開催された「マニアフェスタvol.3」で、いぬくそ看板マニアとしてジョグ鉄を紹介させていただいた。これをきっかけにまたジョグ鉄を盛り上げていきたい。まずは頒布した資料を共有する。
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■関東の主要私鉄の路線をジョギングして楽しかったところで打線組んだwwwwwww
1中.東急東横線
渋谷から横浜まで、街の多彩な姿を存分に味わえる。途中の多摩川河川敷の風景が目に優しい。
2左.相鉄本線
関東大手私鉄で唯一東京都内に路線を持たない。「The 神奈川」を存分に味わえる。二俣川駅では免許センター最寄りのグルーヴ。
3三.東武伊勢崎線
長い。6回に分けて走破した。浅草から北千住までの下町的な風景から、私鉄最長の複々線区間など、見どころが満載。
4一.京王線
距離、コースのわかりやすさ、走破した時の充実感、どちらも最高だ。ジョグ鉄のためにあるような路線と言って良い。
5右.京成本線
車体の大きさやレール幅に関西私鉄のバイブス。生活の匂いを感じる駅舎も素晴らしい。線路伝いに走れば成田空港まで行ける。
6捕.西武国分寺線
地図で見ると路線がゴチャゴチャ絡み合っているが、実際に自分の足で走ると、その絡まりをほどくような独特の快感がある。
立体構造がカッコいい京急蒲田駅から、これまた徒歩で到達可能な羽田空港まで、インフラストラクチャの壮大さを味わえる。
閑散区間にしては高頻度運転で、電車を眺められる機会が多く楽しい。終点の西小泉駅は「地元の中心駅」らしい堂々たる出立ち。
9投.小田急小田原線
大都会新宿から複々線区間を疾走!町田や厚木のような賑わいを感じながら小田原まで。全線にわたって道が平坦なのもありがたい。
異論は認める。というか、読者諸君が走ったコースで打線を組んで教えて欲しい。